2020年8月24日~27日 和歌山県南部を自転車で走る企画がコミュニティのライド部であったので参加した。
参加者11人、3つのグループに分かれて走る計画だ。
私のチームは、30代男性(リーダー)、40代男性、50代女性2人のチーム。
実は、行く前わたしは、あまりに暑い毎日なので、ちょっと憂鬱に思っていた。
こんなに暑いのに走れるだろうか?
ところが天気予報は、その期間だけちょうど雨予報。
暑いのも困るけど、せっかく行くのに雨もな~
でも私は知っていた、きっと晴れるんだよな。
なぜなら主宰者は大の晴れ男だから(笑)
思った通り、日程が近づくにつれ、天気予報は少しづつ良いほうに変わっていった。
そして、なんとなく、今は少し憂鬱でも、この旅は「行ってよかった~」とすごく感動する旅になる気がしていた。
さて当日、午前中仕事をして、お昼からあわただしく準備して出発。やはり天気は良好。にわか雨があるかも程度。
自転車は事前に宿に送っておいた。
南紀白浜空港に到着
空から白い砂浜がちらっと見えた。コンパクトな街の小さな空港だ。
前泊なので夕方の便だ。タクシーで宿に向かう。
源泉かけ流し温泉で評判の宿「むろべ」さんへ。
確かに温泉が素晴らしく、そして食事が素晴らしく美味しい。
和歌山は、どこに行っても梅ジュースがあり、この宿では各種梅酒の飲み放題プランまであり、
和歌山が梅の名産地だということを嫌でも思い出す。
翌朝早起きし、自転車を走行できるように準備。
そして今まで食べた宿の中ではナンバーワンだったと思える朝食をいただき、
8時半ごろ出発の準備が整った。
さあ出発!初日は白浜~川湯温泉 約70㎞
この日の目的地は、熊野古道とがのき茶屋~熊野神社本宮を経て、宿泊地川湯温泉へ。
当初から心配だったのは、この日の工程の2/3は、上り坂であろうこと。
ヒルクライムが苦手な私は、どんな坂が待ち受けているのか心配でならなかった。
私が4人グループの先頭を走ることになり、腹をくくって、さあ出発!
うじうじ思っていてもしょうがない。
少し走るとすぐに街中を脱出、県道31号線~国道311号線へはいり、そこからは走りやすい1本道。
冨田川沿いの気持ちよい道が続く。
川を見るとテンションが上がるわたしにとって、川はわたしの励みだ。
いつ、きついのぼりになるのか内心こわごわ走り進んだが、意外に緩い上りで済んでいる。
たびたび橋を渡るたびに、透き通った川の水面が見え、そのたびに歓声を上げたり、時には水分補給の休憩と称して、写真を撮ったりしながら走る。
「もう25Kmぐらい来たね、順調だね~」と話して出発した少し先に、なかなかの上り坂があった。
熱中症がわたしを襲う 辛かった熊野古道
黙々と頑張って漕いでいると、頭がなんか熱くなってきて、顔面がポッポポッポしてきた。
なんか足が重いな~、だるいな~、まずいな~熱中症かな~と焦り始めたころ、トンネルに入った。
「助かった~!」このトンネルは長~くつづき、暗いけど涼しく走り続けることができた。
あとで調べると、このトンネルは延長1,402mの新逢坂トンネル。
トンネルを抜けると気持ちの良い下り坂に変わり、
私は何とか一つ目の目的地、昼食をとる予定のカフェに到達することができた!
ところが、ガーン! 目的のお店「小鳥の樹」という素敵なカフェはお休みだった。
ここらいったい素敵な雰囲気だと思ったのは、そこはもう熊野古道とよばれる通りだったようだ。
昭和の雰囲気を醸し出す、子供のころに見た風景がそこにあった。
しかたなく、お向かいの酒屋さんで聞き、開いているお店に行くため、少し戻った。
ようやくご飯屋さんに到着したとき、偶然ほかのチームが通りかかった。
同じ、「小鳥の樹」に向かっていたみたいだが、閉まっていたことを伝え、一緒に昼食をとることになった。
ライド中に、他のチームと会うのって、なんかうれしいだよね。
私はその時、頭痛い、顔が痛い、足に血が通った感じがしない、へとへとって状態だったけど、
仲間が集まって、美味しいごはんを食べれたので、何とか元気を回復した。
そういえば、そのお店にも梅ジュースがあったのでいただいたのだけど、疲れた体にキューンと入っていく感じがして、
ほんと美味しかったなあ・・
そこからは難関、熊野古道を走る選択だったので、無理をせず、急な坂道は自転車を押しながら歩いたりしたのだけど、やっぱり体がおかしい。
いつもなら登れるような道なのに、足が動かない感覚があり、途中で休ませてもらうことにした。
ペダルを漕いで上れる気がしない。足が冷たいというか人の足みたいというか、、、
こんな山奥でどうしよう~、足がなんだか痛いというか居ても立っても居られない感じ。
焦っていると、一緒に走っていたメンバーが魔法のクリームを出してくれた。
足に塗りたいところだったが、れーぱんをはいているので、こめかみや頭頂にに塗ってみた。
耳の後ろにも。すると不思議、スーとして気分良くなった。
体も動かせる感じになった。
お待たせしたが、再出発。何とか熊野古道をこぎ進んだ。
目標地点はとがの木茶屋。
先に到達した男性陣が「最大のショック」と嘆いている。
そこは文化財のような休憩所で、お茶が飲めるような場所ではなかったのだ。
(よく見ると、予約制の営業だった)
ちょっとがっかりだけど、その手前にあった継桜王子といわれる神社の入口の趣がすばらしく、大きな杉の巨木に私は圧倒されていたので、あまり気にならなかった。
熊野古道の神々しさを感じる場所だった。
さてさて、足を進めようかと自転車に乗り始めたところ、雨が降り始めた。
「結構本降りだな」と思ったその場所になぜか「緊急避難場所」と書かれたトタン屋根のある場所があったので、緊急避難した。
そこでゆっくり雨支度をして、すぐにやみそうもなかったので足を進めることにした。
雨の下り坂は、なかなか緊張した。
路面が小砂利状態のところも多く、滑りそうになりながらも気を付けて下った。
あとで思ったのは、私にとっては恵みの雨だった。暑さからしばらく逃れられたからだ。
そして今まで頑張って上ってきた分、ずっと下り坂が続いたので、漕ぐ必要がなく、転ばないよう気を付けることだけが重要だった。
熊野古道を終え、311号線に戻ってしばらくすると雨も上がり、再び走りやすい状況に戻った。
下りが続いて、風を切り、気持ちよく走ることができた。
宿泊地の川湯温泉入口を見過ごし、熊野神社本宮大社にむかった。
途中少しだけ緩い上り坂があったが、やはりまた、ちょっと足がもたつく。
「私は軽い熱中症になっている」と感じた。もう本宮は近いようだったが、見つけた自動販売機でお水を補給した。
(大事になってみんなに迷惑をかけられない)そう思った。
本宮はきっと山の上にあると思い込んでいたが、意外にも平地の開けたところに入口があった。
「助かった~」
世界遺産 熊野本宮大社参拝
自転車をとめて、158段の石段を登り、神門をくぐったとき、言葉もでないような大きな神聖なエネルギーを感じたのだ。
それはみんな同様だったようで、あとで聞いたら数見た名所のなかで「本宮が一番感動した」という声が多かった。
心からこの地に来れたことを感謝する念が自然と沸いてきたのだ。
参拝も終わり、いよいよ宿へ
文句なし!また行きたい宿N0.1
いま来た道を少し戻り、大塔川沿いの宿「みどりや」さん。
こちらには、河川敷の中に露天風呂があると聞いていたので本当に楽しみだったけど、
川の水は透明で、迫るみどりは美しく、まったく私の好む環境がここにあった。
そのうえ温泉で疲れを癒し「こんな素晴らしいところ他にはない」と思えたほど。
川に面するお部屋も清潔で広々していて、お食事もとってもよかったので、
今度は家族ともう一度必ず来よう!と心に誓ったとさ。
翌日は快調に走りたいので、お酒も飲まず早めに就寝。
おかげで翌朝は5時半に目が覚めて露天風呂へ!
しばらくすると、山から朝日が昇って、きらきら川面を照らしまるで天国のようだったなあ~
→Day2につづく
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